京アニ事件の身元公表を求めるマスコミ署名に意味はあるのか?

どうも、Merlinです。

 

多数の被害者を出てしまった京アニ事件。

事件当初の衝撃は今でも忘れられません…!

 

世界的にも認められたアニメーション会社での

逆恨みから来る凶悪事件だっただけに

今もなお反響が止まない事件でもあります。

 

そんな凶悪事件の被害者を公表しない警察に対し

マスコミが身元公表を求めて話題となっています。


京アニ事件の身元公表を求めるマスコミ

SNSでも話題になっている今回のマスコミの対応。

それは被害者の身元公表を求めるという署名です!

 京都アニメーションの放火事件で、京都府内の報道12社でつくる在洛新聞放送編集責任者会議は20日、犠牲になった35人のうち25人の身元を発表していない府警に対し、速やかな公表を求める申し入れ書を提出した。

申し入れ書は植田秀人・府警本部長宛て。発生1カ月以上たっても発表がないことに触れ、「事件の全体像が正確に伝わらない」と懸念を伝えた上で、「過去の事件に比べても極めて異例」として速やかな実名公表を求めた。また、今回を先例としないよう要請した。

出典元:Yahooニュース

Yahooニュースでも取り上げられていますが

被害者のうち10名しか公表されていないので

残りの25名も身元公表を求めるマスコミ。

 

しかし警察が身元公表をしない理由として

「遺族の気持ちを最優先に考えた結果」

こう報じられており、当たり前ですよね。

 

報道の自由を盾に実名公表を求めていますが

遺族の気持ちを無視するマスコミ各社に対し

SNSでも批判の声が相次いでいる状況です!

 

署名に意味はあるのか?

 

暴走するメディアとまで批判されている

報道各社が警察へ提出した署名に意味はあるのか?

結論として・・・

 

 

何の効力も持たないわけではない

 

 

報道の自由とプライバシーの権利がぶつかり合い

裁判沙汰になるケースも少なくありません。

場合によっては報道・表現の自由が優先されて

プライバシーの権利が認められないケースすら…。

 

事件が起こると被害者が実名報道されていますが

遺族の気持ちは無視してプライバシーも無い。

そんな状況が当たり前と化しているのが日本です!

 

この問題については専門家でも意見が割れており

プライバシーの権利を優先する人権派弁護士

メディア法の権利を主張する社会派教授がいます。

 

まずは両方の意見を紹介していきます!


プライバシー尊重を求める声明

 

2015年に起きた川崎市の事件についての声明で

プライバシーの権利が軽視されているとして

プライバシー尊重を求める声明を弁護士会が発表

なぜ、犯罪の被害に遭うと、被害者や遺族は実名や顔写真をさらされなければならないのでしょうか。

今年の2月、川崎市で中学1年生の男子が事件が起きました。
ご遺体が発見された直後から、新聞やテレビで被害者の名前や写真がたくさん流れています。

週刊誌の中には、被害者の家族構成や生活状況について書き立てたものもありました。
遺族の個人的つきあいまで書かれているものもあります。
さらに、インターネットでの書き込みには凄まじいものがあります。

プライバシーの権利とは、自分についての情報を適切にコントロールする権利と理解されています。
「知られたくないことは知られない権利」「放っておかれる権利」といってもいいでしょう。

それなのに、なぜ、被害者は同意なしに実名や顔写真をさらされるのでしょうか。
なぜ、遺族は同意なしに家族構成や生活状況を書き立てられるのでしょうか。
なぜ、望んでもいないのにコメントを出すよう求められるのでしょうか。
なぜ、お通夜や告別式の様子を写真やビデオに撮られるのでしょうか。

被害者や遺族は、自分についての情報を適切にコントロールすることが許されないのですか。
知られたくないことは知られたくないと、放っておかれることは許されないのですか。

私たちは、今回の事件をめぐる新聞やテレビやネットの状況は問題があると考えています。
記事を書く人、ネットに書き込む人、それを見たり読んだりする人たちにも、この問題に気づいてもらいたいです。

横浜弁護士会は、報道機関や社会の人たちすべてに、被害者や遺族のプライバシーを尊重するよう求めます。
2015(平成27)年3月26日
横浜弁護士会
会長 小野  毅

横浜弁護士会の会長が出した声明文ですが

今回の京アニ事件への身元公表にも通じており

遺族の気持ちやプライバシー尊重が必要。

そう感じさせられる声明文ではないでしょうか?

立教大学の服部孝章名誉教授

横浜弁護士会の会長がプライバシー尊重派に対し

立教大学の服部孝章名誉教授はメディア法尊重派

 

以前、産経新聞に対してこのように答えてます。

「実名の開示は、どんな人物だったのか、どんなことが起こったのかを検証するのに必要だ」と強調。

メディアが実名を報道するかどうかは、警察ではなくメディアが責任を持って判断することだ。当局による恣意(しい)的な情報選別は、都合の悪い情報の隠蔽(いんぺい)にもつながりかねない。『遺族感情』などを理由に、安易に匿名にすることは許されない

出典元:オルタナティブ・ブログ

隠蔽に繋がりかねないという危惧も分かりますが

明らかに遺族感情を軽視していますね。

 

服部孝章氏の中ではプライバシーよりメディア法。

そのような構図になっていると思います…。

 

被害者や遺族が公表して欲しくないケースでも

無理に身元公表をする警察を想像すると

それこそ社会問題になりかねないと思いませんか?



マスメディアの暴走を止めろ!

あおり運転事件の際も感じた事なのですが

芸能人のプライバシーは侵害するにも関わらず

宮崎文夫氏のプライバシーは尊重してモザイク。

 

法律上、プライバシーの侵害が許されるのは

公益性がある場合のみだったはずですが

実際には無視されているのが現状です。

 

今回の被害者の身元公表についても公益性は無く

「署名で申し入れをするマスコミは間違っている」

そう感じずにはいられません。

 

過去の事件に比べても極めて異例との言い分も

今までが間違っていたとは考えないのかと

マスコミ批判が続出するのも分かりますね…。

 

今回の12社が申し入れをした身元公表。

警察が対応を間違えないように祈ります。